「日本のお笑いはダメ？」茂木健一郎氏の主張とその真相

茂木健一郎氏いうお笑い

脳科学者の茂木健一郎氏は、日本のお笑いに対して、社会や政治に対する風刺や批評性が不足していると指摘しています。​彼は、アメリカやイギリスのコメディが時事問題を積極的に取り上げ、社会批評としての役割を果たしているのに対し、日本のお笑いは上下関係や空気を読む文化に終始し、権力者への批評が皆無であると述べています。 ​

茂木氏は、日本のお笑いが「美学」という井戸の中にこもり、先輩後輩の関係性に囚われているとし、これが機会損失であり、大きなリスクであると警鐘を鳴らしています。 ​彼は、社会ネタを容赦なく取り上げるべきであり、スタンダップコメディ大会をゴールデンタイムに放送することを提案しています。 ​また、海外のコメディに魅力を感じており、日本のお笑いは「オワコン」であると再度主張しています。 ​

これらの発言に対し、日本のお笑い界からは様々な反応がありました。​例えば、ダウンタウンの松本人志氏は、茂木氏の発言に対して「全然腹が立たなかった。茂木さんが全然面白くないから刺さらない」とコメントしています。 ​また、博多大吉氏は、政治を風刺するお笑いの限界を指摘し、「やったってそんなに大した笑いをとれない」と述べています。 ​一方で、落語家の立川志らく氏は、茂木氏の意見に一定の理解を示し、「現在のテレビでもてはやされている使い捨てにされている若手のお笑い芸人に対して」に関してなら同調する部分があると述べています。 ​

茂木氏の主張は、日本のお笑い界に新たな視点を提供し、議論を促すものとなっています。​彼の提案する社会批評的な笑いの取り入れ方については、今後の日本のお笑いの進化において検討すべき課題と言えるでしょう。

権力者を風刺するお笑いはうける？！

その視点はもっともですね。政治や社会問題を風刺するお笑いは、日本でも一部には存在しますが、広く受け入れられるジャンルにはなりにくい傾向があります。

なぜ社会風刺のお笑いが広がらないのか？

1. 文化的な要因
   • 日本は「空気を読む」文化が強く、過激な批評や風刺は敬遠されがち。
   • 欧米では「言論の自由」が強調され、政治風刺が社会的に認められやすい。
2. テレビ業界の事情
   • 放送局やスポンサーが、政治的に偏ることを避けるため、風刺を扱う番組は作りにくい。
   • 近年のコンプライアンスの厳格化も影響。
3. 視聴者の需要
   • 日本では、笑いは「気軽に楽しめるもの」という意識が強く、社会問題を扱うコメディは敬遠されがち。
   • 一方、海外（特にアメリカ）では、「笑いながら考える」という文化が根付いている。

それでも風刺お笑いは必要か？

必要かどうかは価値観による部分もありますが、「多様性」という意味では存在しても良いでしょう。実際に、日本でも爆笑問題のように社会問題をネタにする芸人はいます。ただ、アメリカの『サタデー・ナイト・ライブ（SNL）』のように、国民的な人気を得るのは難しいかもしれませんね。

まとめると、茂木健一郎氏の指摘には一理あるものの、日本の文化的背景や視聴者の志向を考えると、政治風刺のお笑いが主流になることは難しそうです。それよりも、既存のスタイルと融合させた新しい形が生まれる可能性の方が高いかもしれません。